桜の樹皮の美しさを活かす「樺細工」とは

樺細工


みなさんこんにちは~

工芸品ブロガーのたうろすです。

本日は、藤木伝四郎商店の「樺細工」をご紹介します♪

ごゆるりと~

樺細工とは


樺細工(かばざいく)とは、秋田県仙北市角館町で作られている木工品のこと。

樺細工は山桜の樹皮でできており、

その工法は日本国内で秋田県のみに伝承されております。

まさに日本を代表する工芸品!

樺細工の特徴は、密閉性に優れており、軽くて丈夫。

防湿、防乾にも優れていることから、

茶筒や茶托といったお茶道具から髪留めやストラップなどの小物まで

幅広く作られています。

しかも驚くべきことに、

山師とよばれる技術をもった職人が樹皮をはがすため、

はがした樹皮は再生します。

とても環境にやさしい素材なんですね。

では、商品を見ていきましょう。

総皮茶筒(大)無地皮


まずはオーソドックスな無地皮の茶筒。

研磨されて現れた桜皮の独特な表情がたのしめます。

使い込んでいくと光沢が増していき、より落ち着いた色に変化していきます。

茶箕付きなので、プレゼントにも喜ばれそうですね。


総皮茶筒(大)散花


こちらは、先ほどの無地皮に桜の花を加えています。

もちろんこの桜の花も桜皮でできております。

いいアクセントになっていますよね。


総皮茶筒(大)霜降皮


こちらは「霜降皮」と呼ばれる茶筒で、

山桜の樹皮の表情がそのまま活かされています。

実際に手に取ってみると、

桜の皮や節の凹凸を感じることができます。




いかがでしょうか。

「人が作ったもの」というよりは、

「自然との共同作業で生まれたもの」

のような感じがします。

そうすると、気になってくるのは、どう作られているか。

ですよね。

次は樺細工の製造方法を見ていきましょう~♪



樺細工の製造工程


樺はぎ

特殊な刃物で樹皮に切れ目をいれ、めくるようにしてはがしていきます。

先に述べたように、

丸ごと一度に剝ぎ取らないかぎり、気は枯れずに樹皮は再生します。

剥ぎ取った樺を乾燥させるのですが、

その期間、なんと2年!!

一つの商品を作るのに、昔から培われた技術が必要なだけでなく、

長い年月が必要となるのですね。。。

あっぱれです。

樺削り

用途に合った樺を選び、裁断していきます。

水で湿らせ熱したコテをあてて、丸まった樺を伸ばしてきます。

スチームアイロンをかけているイメージですね。

そのあと光沢を出すため、包丁の刃で樺の表面を削っていきます。

膠(にかわ)塗り

膠(にかわ)とは、動物の皮や骨等を原料とした天然素材の接着剤です。

これを樺に塗り、乾かします。

仕込み

経木ににかわを塗って乾燥させた後、木型に巻きつけ、

温めたコテを押しつけ円筒状にし、原型を作ります。

そして内側に樺を張り付ける。

張りつけ

芯になる木材ににわかを塗り、樺を巻き付けます。

樺が焼けない温度で、しわが残らないように何度もコテを押し付けて、

経木になじませます。

にかわとコテの熱加減が大変難しく、熟練の技が必要とされます。

天盛り、天張り

筒状の天と底の部分の加工をする工程です。

小刀を使って削り、カンナをかけてふちの部分をなめらかにします。

仕上げ(磨き)

樺の表面に光沢を出すために、磨いていきます。

6段階のサンドペーパーで磨いたあと、

との粉(石を細かい粉末状にしたもの)で磨き、

最後に鬢つけ油(天然由来の植物性オイル)で仕上げます。

製造方法については、以下のWebサイトを参考にさせていただきました。

KOGEI JAPAN
樺細工(かばざいく)の特徴や歴史、産地をご紹介します。コウゲイジャパンは伝統工芸品を世界に発信・紹介するサイトです。日本の伝統的工芸品と伝統技術の素晴らしさを伝えていきます。
茶筒の製造工程
わたしたち冨岡商店は、国指定伝統的工芸品である樺細工(桜皮細工)の製造元として、世界に類を見ない一属一種ともいうべきクラフトの価値を国内は元より広く世界に発信し、「一生に一つ」使い続ける豊かさを通じて、人々の潤いある生活に貢献できる企業を目指します。


まとめ


いかがでしたでしょうか。

素材だけでなく、張り付けのための接着剤、研磨のための道具、仕上げの塗料まで、

すべて天然素材のものばかりが使用されて、

作られていることに驚きでした。

しかも、山桜の樹皮を用いた工芸品は、世界でこの樺細工のみ。

昔から変わらず受け継がれてきた技法と

優れた性質の素材があってこその工芸品です。

いや~感激の嵐ですね。

現在も、角館の町を中心に150人ほどの職人が樺細工づくりに携わっておられるようです。

今後も素晴らしい樺細工を世界に届けていってほしいです。

私も今回の調べで、

樺細工のすばらしさに心動かされました!

少しでも職人さんをはじめ、樺細工にかかわる人の

力添えになるよう、

海外向けのSNS発信にも力を入れていきたいと思います!

最後に、今回ご紹介した商品を販売されている、

「藤木伝四郎商店」さんのホームページのリンクを貼っておきます。

茶筒の他にも、

お盆や時計、カフスなど、

ユニークな商品を扱われていますので、

ぜひ一度ご覧になってみてください。

藤木伝四郎商店 オンラインストア|角館 伝四郎 DENSHIRO




そいぎんた~



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