制作期間1年の驚き技法「堆漆(ついしつ)」とは?

山中漆器


みなさんこんにちは!


工芸品ブロガーのたうろすです。


本日は、私が石川県加賀市を訪れた際に出会った


「堆漆(ついしつ)」の器をご紹介します!




堆漆(ついしつ)とは


堆漆とは、漆を何度も塗り重ねて板状にし、

その後彫る、削るなどの加工をして、

磨きをかけて美しい漆の層を出していく技法です。


漆はプラスチックやゴム製品に塗っても

剥離しやすい。


この性質を利用して、プラスチック等で型を作り、

その表面に漆を堆積させた後に剥がして取り出すことで、

漆のみの造形にします。


驚くべきことはその制作期間!


1日1回の塗って乾かす!



この作業を続け、およそ100回で3ミリの厚みになります。


最低1年以上この作業を繰り返します。


削り工程で失敗したら、、、



想像するだけで恐ろしや。。。。笑


1年の努力が水の泡になるのですから。。


まさに漆職人の汗と涙の結晶ですね!




堆漆を用いた作品集




様々な色を使っているため、

削り出した際に漆の層が現れます。


世界に一つだけの器です!


ここまで複雑な造形であれば、

同じ作品を作り出すことはまず不可能でしょうね。


これだけお店に並んでいることも

珍しいようです。


お店に伺ったタイミングがよく、

貴重な体験でした!

伺ったお店「文平堂」の情報


石川県加賀市の山中温泉地区にある商店で、

大正3年創業で現在まで、漆器産地ならではの地元作家の作品などが並んでいます。

文平堂以外にも、山中漆器の制作や販売をしている店舗が多くありますので、

温泉に入った後に散歩してみるのもいいかもしれません。


山中の漆器屋 文平堂
石川県山中温泉にある山中漆器の文平堂です。創業100余年、初代塗師屋小原文平以来、山中の漆器屋としてモノ造りを手掛けてきました。全国の百貨店・専門店にお納めするとともに山中温泉ゆげ街道にお店「漆芸 文平堂」を構え皆さまをお待ちいたしております。


まとめ


いかがでしたでしょうか。


一口に漆器と言っても、「堆漆」のようなユニークな技法があることに

大変驚きました。


ますます目が離せません。

最近は3Dプリンターで型を制作し、

形状にとらわれない自由な造形も可能となっています。


これからの漆器の進化が楽しみです!


そいぎんた~

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